魚介類で死亡リスク低下
日ごろから魚介類を多く食べ、DHAなどの成分を多く取っている人ほど、脳卒中で死亡するリスクが低くなる傾向にあることが、厚生労働省の研究班の20年以上にわたる追跡調査で、国内では初めて明らかになりました。
滋賀医科大学の三浦克之教授の研究班は、DHAなど、魚介類に多く含まれる不飽和脂肪酸の摂取量と、脳卒中や心臓病など、循環器に関する病気との関係を、昭和55年当時、30代から50代だった人およそ7000人について、24年間にわたり追跡調査しました。
その結果、1日あたりの平均で、サンマ1匹弱ほどにあたる、およそ1点7グラムの不飽和脂肪酸を食事で取っていたグループは、その4分の1ほどしか取っていなかったグループに比べ、脳卒中で死亡するリスクが40%以上低いと推定されました。
これまでの国内の追跡調査では、不飽和脂肪酸と脳卒中の関係は明確にはなっておらず、20年以上の長期にわたる調査の結果、今回、初めて明らかになりました。
また、心臓病などを含めた循環器の病気全体の死亡リスクも20%低いと推定されるということです。三浦教授は「DHAを含む不飽和脂肪酸は動脈硬化を抑える作用などがあるため、こういう結果につながっているのではないか。循環器の病気を予防する上では、魚介類中心の、健康的な日本の食習慣が有効だ」と話しています。
この調査結果は、来月出版されるヨーロッパ動脈硬化学会の医学雑誌で発表されるとともに、滋賀医科大学でも結果を公表することにしています。
01月29日 18時42分